special feature My BABY&Me

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vol.12
助産師
/聖路加国際大学大学院 修士課程在籍(助産学)
西 彩菜さん

先輩ママ・パパへのインタビューを通して「育児と仕事」をテーマに物語を紡いでいく特集『My BABY & Me』。

vol.12では、3人の子を育てながら助産師として働く西さんにお話をうかがいました。西さんはSNSでは「心も体も楽になる」妊娠中や産後の運動やコツを動画で発信し、なかでもYoutubeのマタニティストレッチの動画は30万再生(2026年3月末時点)を超える人気コンテンツ。本連載をご覧の方の中にはこの動画にお世話になった方もいるかも。
いまは大学院に通い、専門領域の探究を続ける西さん。その原動力や助産師としてママに寄り添い続ける理由について掘り下げます。

撮影地:聖路加国際大学

  • 聖路加国際大学

看護・公衆衛生を専門とし、助産師をはじめとする医療人材を育成する看護系大学。東京都中央区に位置し、「一度はここで産みたい」と憧れの産院の一つである聖路加国際病院と隣接しており、病院と連携することで現場に根ざした学びを提供している。
(所在地)東京都中央区

―すでに国家資格を取得して助産師として働く傍ら、大学院に通っているとうかがいました。その動機はどのようなものなのでしょうか?

産前サポートの一環としてヨガやピラティス、ビクス、ストレッチなど妊婦さんの運動を指導するなかで、レッスンを受けたいと言って私のところに来てくださった方が、病院で「運動してもいいけど、責任は取れない」と言われてしまったことがあって。運動に対してあまりよく思っていない医療者の方もいることを実感しました。
妊娠・出産・産後までをトータルで考えたときに、身体づくりはとても大切だと、これまでの学びや経験を通して感じています。だからこそ、妊婦さんにもその方の身体に合った運動を取り入れながら、身体づくりをしてほしいと思って伝えているんですが、そこに壁ができてしまう。それがすごくもどかしかったんです。

そのときに「いまの自分では発言の根拠も弱いし、何も言えないな」と思ってしまって。それなら、自分でちゃんと妊娠期の運動について研究をし、自信を持って語れるようになろうという感じでした。

―なるほど。ご自身の探求心というか納得したかったという感じなんですかね。

そうですね。自分の中でもやもやしたものを解消したかったし、そもそも調べるのとか好きで(笑)

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―そうは言っても、子育てもお仕事もしているなか、大学院に通うとなると結構なハードルがあると思います。何か決心したきっかけがあったのでしょうか。

一人目の出産が、思っていたよりもすごく大変で…。助産師としての知見もあるし「自分は安産だろう」とどこかで思っていたんですけど、実際は全然違ったんです。出産が17時間くらいかかって、回旋異常で骨盤が割れるように痛くてずっと痛くて叫んでいるし、もう全然思い描いていた出産と違ったというか…「助産師なのに恥ずかしい」みたいな気持ちが残ってしまって。
「なんでだろう」っていうのを考えていく中で、姿勢とか体の使い方に行き着いたんですけど、本を読むだけでは自分の中で納得しきれなくて。そんな折に同期にそんなもやもやを話してみたら「大学院で研究してみたら」って軽く言われたので、「あ、じゃあ行ってみよう」という気になっちゃったという感じです(笑)

―今は3人のお子さん(1歳、4歳、6歳)を育てながら、大学院に通っているということですよね?

そうですね。いま論文を書いていて、もうすぐ修了です(編集注:2月取材)。

―あれ、ということは一番下のお子さんは在学中に出産されているんですね。

本当は院に入る前にほしかったんですけど、なかなかできなくて「もう先に入学しちゃえ」って感じでした。もう思い立ったらすぐやりたくなっちゃう性分で(笑)

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―子育てをして仕事をして、大学院に行って...という生活が想像つかないのですが、どういったスケジュール感なのでしょうか?

あ、まず仕事のほうは入学してからはセーブしていまして。

―休職中ということでしょうか?

2021年からは個人で開業しまして、母体ケアや育児相談などの出張支援や、妊婦さん用の運動のオンラインレッスンなどを行うサービスを立ち上げています。なので休職というか受ける仕事を制限しているという感じです。

―なるほど。フリーランスの助産サービスといった形ですね。

そうです。なので、オンラインレッスンを授業の合間に行って、また授業に戻って...みたいな生活でした。1日の流れとしては、朝は6時半くらいに起きてお弁当を作って、子どもを送り出してから仕事や研究をして、夕方にお迎えに行って、帰ってきてご飯、お風呂…という感じです。で、寝かしつけのあとまた1、2時間くらい仕事や論文をやって。

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―ハードですね。そんな生活をする西さんをご主人はどんな風に見てらっしゃるのでしょうか?

どうなんでしょうね(笑)。「やりたければやったら」というスタンスだと思います。仕事が忙しいなか、帰宅後は洗い物や寝かしつけをしてくれたり、ありがたいと思っています。

―いいですね。ここで恒例の企画なのですが、そんな暮らしの中で、思い出に残ったひと品をお持ちいただいているのですが、何かお持ちいただけたでしょうか?

この(子どもたちの写真をプリントした)バックです。

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―あ、かわいい。なかなか使い込まれた感じですね。

そうですね、ほぼ毎日使っています!

―プリントサービスを使って自作されたのでしょうか?

そうです。もともとは父の日にパパ用にと思って作ったのですが、私が気に入っちゃって、ずっと使っちゃってます(笑)

どの子も生まれて間もないころの写真なのですが、見ると「この子のときは出産大変だったな」とか「生まれてすぐ笑ってたな」とかいろいろ思い出しますね。

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―みんなそれぞれ特徴のあるいい表情をしてますね。子育ての中で大切にされていることはありますか?

「結果ではなくて、頑張った過程を見る」ということですかね。上の子がスポーツ系の幼稚園に通っているんですけど、あまり運動が得意なタイプではなくて。

―周りと比べてしまいそうな環境ですね。

そうなんです。でも、順位じゃなくて、「走りきったね」とか、そういう部分をちゃんと見てあげたいなと。なかなか難しいですが意識するようにしています。

あとは「これじゃなきゃだめ」と思いすぎないことですかね。柔軟さを持つというか。育児は思い通りにいかないことが多いですから。

―以前、「完璧主義すぎて、育児を始めたばかりのころはストレスを感じていた」という方のお話をうかがったことがあります。

そうなんです。まじめな方や几帳面な方ほど産後うつになったり...といったケースもありますが、ほんっっとうに(笑)育児に正解はないですし、いまは晩婚化でキャリアを持ってから産む人も多いです。そうなると仕事の兼ね合いも出てきて、何も思い通りにならなかったり。なので、「固執しないこと」が大切だと思います。

―助産師さんにそういわれると、いい加減な気質の私なんかは心強いですね(笑)。助産師という仕事も魅力はどこに感じていますか?

よく「赤ちゃんが好きなんですか?」と聞かれるんですが、どちらかというと“ママが好き”なんです。妊娠・出産って、女性の人生の中でもすごく大きな変化ですよね。そのタイミングに寄り添えるのがすごく面白いし、やりがいがあります。

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また、助産師というと「分娩をサポートする人」というイメージもあると思いますが、分娩を行うのは病院の分娩室で働く一部の方だけ。妊娠期や産後ケア、育児支援など領域は幅広くあります。私の場合、妊娠期の方と関わることが多いので、人それぞれの課題や悩みにダイレクトに触れて...しかもそれぞれ全然違う悩みを抱えていて、そんな方が頼ってくれて、それを支えていけるというのは助産師という職業ならではかなと思います。

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